◎本場結城紬の糸~手つむぎ糸を草木染 Day-3
今日は、ぼっち揚げした糸を染めました。最初は、下ごしらえの手順さえ一通りこなせればいいから化学染料でもいいや~、と思っていたのですが、やっぱり草木染に挑戦してみたいと思い直し、結城市内にある「
手づくり工房 里(稲葉本染店)」で、基本の染め方を教えてもらいました。
欲しい色が取れる植物が、今の季節には無いので、準備可能な材料の中から<茶かベージュが染められるもの>を選び、染めさせてもらいました。
スカーフなどの布は染めたことがあるのですが、手つむぎの糸となると体験したことがありません。今日は、綛(かせ)になった糸を、どのように取り扱い、染液にくぐらせるのかに最も関心が集まりました。
その象徴とも思えるのが、道具「カギ」を使っての糸繰り(写真)。以前、この工房を見学したときも、ご主人のカギさばきに目が釘付け。そして染めを指導してくれた稲葉里子さんも、カギを器用に操りながら、染液をくぐらせる綛(かせ)の裏表をひっくり返したり、カギを
くるっくるっと回転させながら綛(かせ)の水分を絞っています。
私も、いよいよカギを持ったときは、初めて馬を馬房から出して、引き馬した時みたいに(もう、引っ越して乗馬クラブには通えなくなってしまったのですが、あんなに大きくて、あんなに速く走る馬が、おとなしく手綱1本でついてきてくれるのに感動したのを覚えています)、緊張とワクワクがごたまぜになった気分で、単純に嬉しかったです。
この、カギも染屋さんによって形が違うそうで、使いやすい形を鍛冶屋さんに注文して作ったそうです。やはりここでも、道具の工夫を知りました。一般に市販のものを買い元めるなら、
田中直染料店にステンレス製がありますよ、と教えてくれました。
染めは、通常の草木染め同様、染液に浸す→媒染を繰りかえします。この日は冷たい小雨模様で寒かったので、媒染・浸染め後に、糸を大量の流水ですすぐとき、手が切れるような冷たい水を覚悟していたのですが、水にどっぷり手をつけても、いつまでたっても冷たいと感じる水温になりませんでした。
聞けば、相当深い井戸の水をずっと使っているそうで、なるほどと思いました(井戸水は水温が気温の影響を受けにくいため一定の温度を保つのです)。しかも、手触りの柔らかい水に感じました。水に恵まれているのだなあ、と思いました。
染め終わった綛(かせ)は、水から出して、ふたつに折ってぞうきんみたいに絞って良いそうです。絞った糸をビニール袋に入れてもらい、精算を済ませ、工房 里から向かったのは、小山の指導所です。染めたばかりの糸でも先生に見てもらって、今後の下ごしらえについても話せたら・・・とアポなしでしたが(シツレイ!)・・・。
なんと、廊下では綛(かせ)がストーブの温風を浴びて乾燥中。ちょっとだけスペースに余裕があったので、私の綛(かせ)も便乗して乾燥させていただくことに。手前の2綛(かせ)が私の染めた糸です。干す際にも、糸を両手でさばき、重なっている糸を綾のある状態に戻します。この作業をきちんとやらないと、糸がくっついた(こごった?)まま乾いてしまうのだそうです。
今日染めたのは、この2カセ。色は、まだ染めの途中なのでモノクロにしています。
次回は「糊付けだね」と、先生。
最後に、染めの代金について、先日はグラムあたりいくら~、と書きましたが、結城の染屋さんでは「グラムあたり」という場合は、「100グラム」という意味なのだそう。5~6年織っていてもわからないことがたくさんあるのです。このようなことを知るのもまた、楽しいことです(笑)。私の誤解については、すぐにブログのコメントで教えてくださった方がいたので、そう長いこと悩まずに済みました。ありがとうございました。
<インフォメーション>
※ハンカチ、スカーフなど染め体験ができます。
お申し込みは日程に余裕を持って、事前に行ってください。
本場結城紬稲葉本染店
手作り工房 里
307-0001 茨城県結城市浦町94
TEL/FAX 0296-33-3304
稲葉さんご夫婦と、最近の結城紬産地の景気が思わしくない話題になり、「それでも、結城紬は絶対に無くならないと思う」と、皆の意見が一致したのが、ちょっとうれしかったです。
◎kiitos
結城紬の織り仲間は、機織り以外に何かしら作っています。しかも、多種多様です(いや、機織りしていない人だって、何かしら作っているのですけど)。当ブログ左側の<リンク・リンク>に、そんな織り仲間がパートナーと共同で立ち上げたサイトkiitosが仲間入り。
◎150億円
<定額給付金>振込手数料の話。記事によると、
定額給付金事業の予算内訳は、
国民への給付金1兆9570億円
事務経費 825億円
合計2兆395億円
事務経費の主な使途
自治体職員の超過勤務手当などの人件費233億円
給付通知などの発送費270億円
諸経費185億円(うち150億円以上は振込み手数料)
振込み手数料ってのは、各世帯の銀行口座に振り込まれるってことでしょうか?
もし、振込み口座を持ってない場合は、手渡し支給するのでしょうか?
各家庭の銀行口座を政府は把握しているのでしょうか?
1人12,000円支給するのに、こんなに諸経費がかかるなんて、知りませんでした。
給付通知の発送や、自治体職員の超過勤務分の仕事でアルバイトでもできる仕事なら、派遣切りで職を失っている人に仕事してもらってもいいとは思うけれど、その場合今度はその求人にかかる諸経費はどうなるのか・・・
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◎ちょっとしたお知らせ
エキサイトブログに、今日から「
コメント承認機能」がついたそうです。禁止ワードなどでスパムコメントは滅多に書き込まれないようになりましたが、当ブログでも承認機能を使用することにいたしました。