◆てんこ盛りな1日
朝、宇都宮をクルマで出て、12時15分前に
芸術座に到着(開演は昼の12時)。途中、事故渋滞にはまっちゃって、もう、焦ったー!この道(新4国)を何度も往復していなかったら、きっと遅刻してたと思う。
で、「
放浪記」を観た。1700回をゆうに超える上演で積み重ねられた舞台って、森光子さんの演技ってどういうもんだか、そして、「放浪記」を最後に改築される芸術座ってどんなところだか、いろんな動機でチケットを買ったっけ(取るの大変だったのよ)。写真は芸術座のロビー、48年間に上演されたお芝居の写真が飾ってあり、1枚1枚見ていると思わぬ発見があっておもしろい。
序盤、舞台下手から若い女性の声がして、誰が出てくるのかな~、と思っていたら
何と森光子さんだった。声にすっかりダマされた~(笑)!不意をつかれた感じだ。終盤では晩年の林芙美子を演じるが、幅広い年齢をみごとに演じ分ける技量に驚愕!森さんをテレビで見るときって、インタビューを受けていたり、番組ゲストだったり、コマーシャルだったり、ナレーションだったり・・・どれも舞台とは違う顔ばかり。やっぱり生のステージというのは、違うわ~。舞台衣装(キモノ)のコーディネートは、いまどきのキモノ好きな若い女性にも、ウケそう。
3時間半の上演後、友人と待ち合わせて、日本橋高島屋の「久保田一竹回顧展」と銀座松屋の「池田重子コレクション 日本のおしゃれ展」をはしご、そしてエノテカでディナー(パン、おかわりしまくり・笑)。
久保田一竹さんの作品、2点好きなものがあった(いわゆる本来の「辻が花」らしいものだ)。宇宙をテーマにした作品群は、果てしないほどの色彩、絞り、刺繍などが施されて、楽器の音色に例えればシンセサイザーみたいだった。能をテーマにした衣装は、私はもうついていけない(ちょっと山本寛斎のスペクタクルショーに使えそう?)感じ。
おもしろかったのは、一竹さんが愛用していた「羽織紐」。まるでアフリカのネックレスみたい。意外だった。作品の両脇にも、木彫りのスツールが飾ってあった(あれも一竹さんのコレクションだったのだろうか)。
「日本のおしゃれ展」は、昨年に比べると、帯留め(500点余り)が充実。その中に「煮干」の帯留めを発見!?何でもモチーフにしちゃうのね。それは木彫りだったけど、ひからび加減といい、かたちといい(2匹くっついてる)、リアルなもの。キモノもアクセサリーも、モチーフ、デザイン、織りや染め、装飾の技法の無限な組み合わせ、自由さ、楽しさを感じた。コプト織り風の模様を織り出した結城ちぢみもあった(昭和初期のもの)。こんなものも作っていたのか~(ホントにモダンな感じのキモノだった)。結城紬ばかりを集めて、池田さんにコーディネートしてもらったら、どうなるだろう(笑)。
で、日帰りで宇都宮に戻った。いやぁ~、日程の都合もあったけどてんこ盛りの1日だった。