◎産声~野州てんまり
先週末、栃木県庁で開催された「栃木県伝統工芸品展2009」の野州てんまり販売ブースで、昭和村のからむしの糸を使ったてんまりを見かけました。めずらしいな、と手に取って眺めているうちに、ブースの方とおしゃべりしながら、「野州麻の糸で巻いたら、ほんとうの野州てんまりになりますね」、なんて話になりました。
そして翌日、実演フロアに用事があって、そこに野州てんまりの中山春枝さんもいらっしゃいました。僅かでしたが、績んでおいた野州麻の糸を参考にとお持ちしました。中山さんは、初めての素材と喜んでくださって、さっそく鞠の地糸として巻き始めました。その日は、少し早めに実演を切り上げられた中山さんですが、来週水曜までにはてんまりができあがると思います、とおっしゃっていました。
そして今日、ほんとうに野州麻を地糸に巻いたてんまりが出来上がり、私の元に届きました。画像ですと、糸の色は同じ緑に見えますが、2色のグラデーションを効かせた麻の葉模様になっています。私が績んだ糸の量は(大変申し訳なかったのですが)決して十分とはいえず、芯の白い糸が透けて見えるものの、野州麻の糸を使ったてんまりが産声をあげたことに変わりありません。麻糸を使ったということで、絹糸でですが、麻の葉模様を刺してくださいました。
成長の早い麻のように元気に育つようにと、赤ちゃんに麻の葉模様の産着を着せますが、この生まれたばかりの野州糸使いのてんまりも、麻の葉模様の産着を着せてもらったようだと思いました。
野州てんまりの紹介(下記リンクページの一番最後にあります)
http://www.tochigi-edu.ed.jp/furusato/object028.htm
中山さん、ありがとうございます!
また、中山さんが製作したてんまりをモチーフにした、平成22年用絵入り[寄附金付]関東版「てまり」55円が、好評受付中です!!
http://www.yubin-nenga.jp/products/figure_local3.html?height=430&width=500
宇都宮てまり舎主宰で、栃木県伝統工芸士の中山春枝さんは、氏家町(現さくら市)指定無形文化財・大谷スミ先生に師事し、てまり制作を習い、昭和51年(1967)に作品を「野州てんまり」と命名。平成元年(1989)には、野州てんまりが栃木県伝統工芸品に指定されました。
あっ、今日も熱燗の注文が入りました♪
居酒屋のりちゃん、そろそろ開店準備に入ります(笑)。