◎曳舞(ひきまい)
ひき家とは、曳舞・引舞とも言われるそうです。何で「舞」の字なんだろ?・・・ってネットで調べていたら、「曳き舞現場の見学」というタイトルがあったので、クリックして見たら・・・ん?これ、どっかで見た建物だな・・・って、母の実家の蔵でした(笑)。
http://kantei5532.blog56.fc2.com/blog-entry-194.html
実は私もきょう、蔵の曳き舞い現場に行ってみました。写真は3:34pmごろ撮影。建物の左側にご注目ください。
次の写真は、4:31pmごろ、違う角度から蔵を撮影しました。蔵の手前のレールをご覧ください。最初の写真と比べて、見えているレールの長さだけ曳きました。しかも、油圧式の道具ではなく、人の力で動かしていました。というのも、油圧式の機械だと、曳くときにグンッと強い力で引っ張ることになるので、デリケートな作りの大谷石蔵には良くないらしいのです。今日は、大谷石の組合(大谷石材共同組合?)の方たちが見学に来ていたそうです。
この、曳く作業は毎日見られるわけではありません。私が母の実家に到着したら、ちょうどカナヅチでコロを叩いている音が聞こえてきました。この音がすると、曳き作業をやっているとわかるそうで、母の実家でも今日動かすことになるとは思っていなかったようです。ちょうど良いタイミングで見ることができたのですね。
曳くだけでなく、移動のレールを架設する作業もあり、雨の日は作業はお休みとのこと。限られた期間で、曳き作業を何度か見て見たいものです。
ちなみに、普通の農家の大谷石蔵を曳き舞するのは、あの姉歯事件後の法改正(制度が変わって?)後、栃木県の第1号なのだそうです。ですから、曳き舞を請け負う業者も、もちろん技術は持っているものの、何しろ前例のないことですから、試行錯誤の部分もあるようです。そんな意味でも、この曳き舞い作業のノウハウを生かして、これまでは諦めていた建造物保存に役立ててもらいたいですし、そうして残された建造物が地域文化・景観を豊かにしてくれることを願っています。