21個目の絣を織っているところです。今日は、前おろしをするときに、木のハタクサのところに耳糸だか地の糸がひっかかってたらしく、お巻きをぐるんと回転させて、腰でタテ糸をズッと引っぱったところ、ズボッと嫌な感触。見れば、耳糸とタテの無地糸が隣接するあたりの8本だか10本もの糸がゴッソリちぎれちゃった!いや~~ん!!あわてずに1本ずつつなぎ直して修復完了。
久々、元子ママの顔を見たけど(黒革の手帳)、今日のはフツーの火曜サスペンス劇場「京都高級クラブの美人ママ危機一髪!~十和田湖殺人事件」って感じでしたね(笑)。
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感動を借りる~柳宗悦「芭蕉布物語」
「きもの草子」に芭蕉布が紹介されています。沖縄で苧麻や芭蕉布の縞・格子・絣は生活の普段着だったそうです。ところが、戦時中、芭蕉の木は蚊の発生原因となるという名目で、アメリカ軍によって伐採されてしまったそうです。
そのころ倉敷の工場で働いていた、喜如嘉出身の平良敏子さんは、倉敷紡績の社長・大原総一郎が提唱した、沖縄織物の勉強会で織物の修行をしていました。勉強会を指導したのは、民芸運動家・外村吉之介。平良さんは、織物を勉強しながら、柳宗悦(むねよし)の「芭蕉布物語」を読み、身近すぎて意識することのなかった芭蕉布の素晴らしさに気づくのでした。
平良さんは、芭蕉布の森を復活させ、芭蕉布の工業組合をたちあげ、展示会に積極的に出品し、芭蕉布を今の地位まで高めたのです。昨年、沖縄をドライブしているときに、喜如嘉で見かけた芭蕉畑は、一度は消えてしまっていたことを知りました。
さて、「芭蕉布物語」を読んでみたいと思って、市立図書館を調べたのですが、本はありませんでした。古本を調べたところ、なんと「自署あり」で5~6万の値段がついていて、とてもとても手が出せません。そこで、県立図書館を調べたところ、蔵書があることがわかり、昨日、さっそく借りに行ってきました。「芭蕉布物語」は、単行本と、「柳宗悦全集・15巻」に収められていることがコンピュータ検索でわかり、巷で5~6万円の値がついている単行本を借りることにしました。
県立図書館は、小中学生の頃は良く行ったものでしたが、もう何十年も行っていません。まず、貸し出しカードを作って、本がある場所を探したら、書庫にしまってあるそうで、すぐに出してくれました。
思ったより薄くて軽い52ページのその本は、朱色の表紙が積年の保存のためか、少し反りが出ていました。家に帰ってページをめくってびっくり。柳さんのサインが入っているのです。奥付によれば、この本が出版されたのは、昭和18年3月25日。私版本として、たった225冊しか作られなかったようです。さらに、「何れにも著者自署す。猥に復刻すべきに非ず。」とクギをさしています(笑)。これには理由があって、本来なら、たくさん印刷して安く売る本にすべきだと思ってはいるものの、膨大な資料の整理ができていないので、時がくるまで「私版本」という形で出すことを試みた、と宗悦自身が後書きに書いているのです。
サインは、まるで柳さん本人にいきなり会ったような感じがしました。また、本のページをめくるにつけ、使われている紙が気になりました。後書きによると、「本文の用紙は武州小川で出来た手漉きの和紙、表紙は陸前柳生の産で、堅牢を誇り、少しも毛羽立たないのを以って名があります。」確かに、表紙は60年を経たとは思えないほど傷みもなく、本文ページもきれいです。
装丁からして、あまりにインパクトが強くて、まだ中身に触れるところまでいってませんが、数ある柳宗悦の著作の中で、この芭蕉布物語が「最も美しい文章」という人もいるほどです。
しっかし・・・こんな本を、気前良く館外貸出ししちゃう栃木県立図書館も、相当な太っ腹だよねぇ~(笑)。
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かもめのジョナサン?
スコッチボネット7兄弟姉妹・・・あらっ?今朝になって、あと一芽増えてるわぁ~。8兄弟姉妹。中葉が出てきて、双葉もだんだん大きくなっています。なんだか左下の芽ったら、カモメみたい・・・。
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まぎらわしい
↓たまたま見かけたこちらの商品(8日まで出品中)は、直接染色法のため、「重要無形文化財」とは呼べないんですよ~(笑)。商品説明では、「証紙がついてるから」と説明があります。判断のよりどころになるんですよね、ラベルや証紙が。やっぱり、混乱してるみたいですね(笑)。
http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f35577118