今日から3月。
2スミを通過したところです。
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糸は糸
機織の実演(日程は9~12日です)の手配をされている問屋さんが制作した「文化への回帰50~本場結城紬 重要無形文化財指定50周年記念」というパンフレットが届きました。そこに登場する地機織りの職人さんは、15歳から織っているなど、この道60年(!)や30年のベテランばかり。彼女達が語る織り手の心(タテ糸は心、ヨコ糸は技と思って織ってます・・・)を読みますと、いかに自分の経験も理解も浅いかに気づきます。
私にとって、まだまだ糸は糸にしか見えません。タテ糸はタテ糸、ヨコ糸はヨコ糸(笑)。タテ糸は糊で補強してもなおしばしば切れる、ヨコ糸は糊が薄いのでいったん打ち込んだものをはずそうものなら、絣模様が薄くなる(笑)。それ以前ですよ・・・タテ糸を引っ張る時の力の入れ具合やタイミングって、どうすりゃいいの???今の私に、タテ糸は心、ヨコ糸は技なんて境地になれってほうが無理・・・。付け焼刃ができない部分だと思います。
このパンフレットに登場する、市田ひろみの着物姿を見て、あっ!と思いました。黄色地の紬に格子状の模様を絞り染めした着物と帯を、ちょうどその時間にテレビで再放送されていた、『はじめてさんの着物塾・第3回』で市田さんが着ていたからです。でも、帯締めと帯揚げは違うものを合わせているように見えました。もひとつ、あっ!と思ったのは、このパンフレットを送ってくれた問屋さんの住所が、私が短い間ですけどお世話になった手拭い問屋さんとご近所さん、ということです(笑)。
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仔鹿物語
ドラマ渡鬼の大吉役を、あれこれ考えていたきのうの夜、寝る前に読んでいた池波正太郎『食卓の風景』の中で、池波さんは映画『小鹿物語』をリメイク(原文ではリメイクじゃなく、<再映画化>です)するなら、監督はじめ、それぞれのキャストは誰がいいだろう?と、問題提起しながら、楽しそうにそれぞれ想う人を挙げていてました(笑)。映画とは離れますが、仔鹿物語は、池波さんが年に1度は本棚から出して読んだのだそうです。
この映画を、私もテレビで何度か見ました。本でも読みました。私は読んだものは、どんどん忘れてしまうのですが、今でも強烈に覚えているのが、少年ジョディが可愛がっていた仔鹿のなめらかな首筋に銃口をあてる、という場面です。その瞬間が、写真のシャッターを切ったときのように、脳裏に焼きついています。
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今日も、ちょっとしたヒントを教えてもらいました。素人にもわかる友禅の手描きと型染の見分け方とは?・・・そこんとこ、ちょっと知りたいと思う内容です。だからといって、どちらが良い悪いってわけじゃないんですけど、違いがわかるっておもしろいなあと思います。
<以下引用>
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手描きの着物
着物には色々な加工がありますが、やはり一番高価な加工と言いますと
やはり職人さんによる手描きが一番高価になるのではないでしょうか。
今日はその手描き友禅の特徴を紹介いたします。その前にまず簡単に
友禅の染色方法を説明します。
まず、着物の白生地に下絵を描いてその下絵に添って糊を置いていき
ます。この糊はあとで柄を描くときの染料の防波堤の役目をするんです。
糊で柄を書き終わったあと、柄を手で描いていきます。柄を描き終えた
ら今度はその柄を糊で伏せて地色を染めます。最後に全ての糊を水で
流して完成です。
と、簡単に説明しましたけど型染の着物もすごく多いのが実情でして、
特にインターネットなどで取引されている数万円の値段帯の訪問着は
ほとんどは型染です。小紋は…微妙ですね。
型染と手描きの違いというと実際のところ、プロならば糊ぶせの具合
やら、柄の出方がはっきりしているところなどで歴然とした区別がつく
のですが、一般の方には見た目には全く区別がつかないと思います。
まあ、職人さんには申し訳ないんですが、そのくらい小さな違いという
べきか、でもプロの目からすればかなり大きな違いなんですね。
で、話は変わってオークションなどで取引してされている着物で「手
描きです」なんて説明文に書かれていますが、商品の出品者に正しい
知識が無いのか、それとも悪意をもって騙しているのか「そりゃ型染
やんか!」なんてツッコミを入れたいものも何度か見たことがありま
す。
そういうリスクを負ってでもオークションなどを利用する魅力はあると
思いますし、こんなことをいっては身もふたもないですが型染であろう
が手描きであろうが着物として着用できるからそれほど大きな問題では
ないかもしれません(笑)。第一オークションはとにかく安いですから
ね。
でもあえて素人にもわかる手描きと型染の見分け方を書きますと、実は
裏側を見れば一目瞭然なんです。型染は裏側には染料が通っておらず、
手描きは裏まで染料が通っているんです。もう少し書くと型染だと裏から
見ても柄の部分が白くなっているだけですが、手描きだったら裏側を
見ればどんな色でどんな柄が描かれているかわかります。遠くから見たら
裏表逆で仕立ててもわからないぐらい…というのは言い過ぎですね(笑)。
ちょっと宣伝臭いんですけど、今きくやのオークションで本格的な
手描きの訪問着が出品されていますので参考に見ていただけると「裏へ
の染料の通り方」がよくわかると思います。
(中略)
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■呉服のきくや楽天店掲示板
http://www.rakuten.co.jp/gofukunokikuya/forum
(中略)
呉服のきくや楽天店
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森田 文啓 (gofukunokikuya@nifty.com)
<引用おわり>