34個目、最後の絣を織り終わったところです。織った布の長さを測ってみました。あとちょっとで、きんとうを入れられます。
◆
日本の酒
私は下戸です。が、舐める程度でしたら、美味しいものがいいです・・・とはいえ料理に使う方が多いです。さて、つい最近、日本酒の飲用温度が10種類もあると知りました(笑)~とびきり燗、熱燗、上燗、ぬる燗、人肌燗、日向燗、常温、涼冷え、花冷え、雪冷え。
私が知っていたのは、その半分。近頃は、冬にワインを温めて飲むみたいですけど、日本酒ほど飲用温度が細分化されたお酒って、他にもあるんでしょうか?
・日本酒の美味しい温度 http://www.junmai.info/what/ondo.html
・・・な~んて、飲めもしないお酒の話をのんきに書き込んでいたところに、1通の嬉しいメールが届きました。2年ほど前、機織に興味がある方とネットで知り合いまして、いろいろとやりとりをしまして、その後しばらく連絡を取っていなかったのですが、何と!自分の力でついに夢を実現する時が来たそうです。仕事と両立しながら機屋さんに見習いに通うことになったそうです。おめでとうございます!がんばってください。
◆
伝統工芸士による「糸つむぎ講座」(栃木県小山市・宇都宮市)
そうそう、結城紬に関する手仕事に「糸つむぎ」がありますが、糸つむぎ講習会が年に24回も開催されているのをご存知ですか?さすが産地ですよね(笑)。教えてくれるのは、伝統工芸士の先生です。初めての方も先生がやさしく丁寧に教えてくれます。
結城紬の材料となる「つむぎ糸」を、自分の手でつむいでみたい方は、気軽に参加してみてはいかがでしょう。 道具・材料は、すべて会場に用意してありますので、直接会場にお越しください。 詳しくは、こちらをごらんください↓。
・糸つむぎ講習会 http://www.iri.pref.tochigi.jp/tumugi/itotumugi.html
◆
今週の<きくや着物チョイ話【水曜】楽天版>
先週末、中川染工さんに伺って、てぬぐいや絵羽の反物を染める作業を見学しました。これらの染めには、型紙が必要になり、絵羽用の型紙を彫る職人さんが、ほとんどいなくなってしまった話や、絵羽用の長い型紙を作る際に、紗という布を張るのですが、こういう作業をするのも大変だ、という話しを聞きました。そんなことを思い出しながら、今週のきくやさんのメルマガを読んでいました。
(以下引用)
■
江戸小紋の未来
以前、この着物チョイ話で「着物絶滅危惧種」というもうほとんど生産され
ていない着物のことを書きましたが、僕がいま一番心配しているのは江戸
小紋と大島紬。大島紬は以前ここで書いたので今回は江戸小紋について書い
てみます。
江戸小紋というとご存じの通り、型紙を彫って染められる、遠くから見ると
無地に見えるような柄の細かい着物です。関西の方ではそれほどメジャーで
はないのですが関東に行けば色無地よりも江戸小紋の方が売れると聞いた
ことがあるんですが実際のところ如何でしょうか。
さて、その江戸小紋ですが僕はあと10年もすれば本物の江戸小紋は手に入ら
なくなるのではないか、と心配しています。
そのわけを書く前に江戸小紋の作り方を解説しますと、柿渋紙に彫刻刀で
型を彫っていき、彫り上がった型を白生地の上に置いてその上に防染の
ための糊を置きます。そうすると型の穴の開いている部分にだけ糊が白
生地についてその部分が防染されます。次にその白生地を染めてから糊を
落とすと糊の付いていた部分だけが白く残って江戸小紋のできあがり、と
いうわけです。
で、その江戸小紋がどうして無くなるかというと、型を彫る職人さんが
いないんですよ。
「じゃあ、機械で型を作ればいいじゃん。あんなの点々を彫ってるだけ
なんだから」という方もいらっしゃるかもしれませんが、江戸小紋の型は
断面図にするとソフトクリームのコーンのような三角錐を逆に向けたような
形になっていて、そこに防染の糊が入り込むからきれいに生地に糊が乗るの
であって、この型が機械で彫られていると断面がまっすぐになってしまう
のできれいに染まらないらしいのです。
そして、その型を彫るためには最低でも10年から15年は修行しなくては
一人前の型は彫れないと聞いています。つまり、10年から15年は仕事と
して使い物にならないということなんです。
昔は型を彫る職人さんは自分の子供をまた型彫職人に育て上げてきました。
学校を卒業した15歳や20歳になってしまうと、もうすでに遅すぎるらしく
型を彫る職人の町、三重県の白子では3歳とか5歳あたりから職人としての
教育が始まっていました。あの辺の子供たちは小さい頃から彫刻刀で遊んで
いると聞いたこともあります。
ところが現代ではどうでしょうか?そんなに小さい子供の頃から刃物を
持たせるということはなくなってしまいましたし、型彫りの職人に育て上げ
てたぐいまれなる技術を会得したとしても、着物離れが進んだ現代では将来
食うに困らない生活ができるかどうか全く不透明。だったら子供の将来の
ためには良い学校を出て大企業か公務員になるほうがいいと思うのが現代の
大部分の親ではないでしょうか。
また、もし型を彫る工房によそから修行に来たとしても10年から15年間、
全く工房に利益を生むことのない人間を給料を渡しながら職業訓練する
工房があるかどうかと言うと、この不景気で弱体化したメーカーでは相当
難しいことになります。
徒弟制度のあった昔でさえ、一人前になるまでに時間がかかりすぎる型彫
職人がよその工房に修行に行って一人前になって独立すると言うことは
なく、ほとんどが職人の子供で小さい頃からたたき込まれてきたというのが
江戸小紋の型彫りなのです。そういう状況で発達してきた型彫りが、着物
離れが進み、徒弟制度が崩壊した現代で果たして受け継がれていくか、と
いうとかなり難しいのではないでしょうか。
もちろん江戸小紋という柄が無くなることはないでしょう。でも本物の
江戸小紋は絶滅してしまい、市場に流通するのはプリント柄の職人の
息づかいの伝わってこないものだとすると少し寂しい思いもします。
本物はなかなか買えないからそれを模したものを身につけて本物気分を
味わいたい、というのは着物好きにとってごく当然のことです。それは
決して否定はしませんが、でもそれは本物がちゃんとこの世の中に存在
してのこと。フェラーリを買えないから安いレプリカでフェラーリ気分
を味わうのはいいですけど、それが本物のフェラーリだと思って乗って
るのはちょっと違うかな、と思うのと同じですかね。
皆さんはどのように考えますか?
今週のチョイ話の御意見、御希望、御感想は下記掲示板へ。
■呉服のきくや楽天店掲示板
http://www.rakuten.co.jp/gofukunokikuya/forum
(中略)
呉服のきくや楽天店
551-0031 大阪府大阪市大正区泉尾3-15-4
TEL.06-6551-8022/070-5507-7842(担当者直通)
URL: http://www.rakuten.co.jp/gofukunokikuya/
森田 文啓 (gofukunokikuya@nifty.com)
(引用おわり)