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予想以上に面白い!~注染づくし@深川江戸資料館(あさって25日まで開催)
10年ぶりという戸田屋商店の展示会。てぬぐいを様々な角度から楽しめる内容でした。道が思ったより混んでいて、2時からのトークショーぎりぎりに会場に到着。あっという間に時間が過ぎて、気が付けば私が最後のお客でした(笑)。
何より、東京本染め・伝統工芸士さんのマンツーマン指導で、型のせ(型紙を使って防染糊をつける)と、注し分け(防染糊で染料が流れ出さないよう、必要な部分を囲み、そこにジョウロと呼ばれる道具で染料を注ぐ作業)という染めの体験ができ(写真・1枚目)、寄付金(10円でも100円でも任意で・・・これは会場のある江東区に寄付されます)を支払うと、参加者が体験で染めたてぬぐい2枚がもらえます(写真・2枚目)。必ずしも、自分で染めたものを受け取れるわけではないのですが、創業135年のイベントの為にデザインされたもの。記念になります。
型のせは、ひとり数回、へらを使って防染糊を塗る体験ができ、注染体験は数色使うので、1面の染めを数人で色を分担し順番に体験しました。私は、家の柱と廊下(黄土色)、土台石(濃い鼠)、そして庭石(濃鼠&薄鼠)。特に、庭石は注染ならではのぼかし染めだったため、ちょっと感動です。下のmoreをクリックすると、染め様子を写真でレポート。よろしければご覧ください。帰宅してから、水で糊を落とし乾かしたてぬぐいを眺めていると、鼻のまわりに薄汗をかきながら、ジョウロを持つ手がプルプルして、ドキドキしながら染料を注いだり、なかなか均一に糊が濡れなかった難しさなどが、感動とともに蘇ります。体験の良さですね。
新柄てぬぐいでは、戸田屋さんの若いスタッフさん達の意欲的なデザインが、新しい風を感じさせます。貴重な道具、型紙、資料・・・想像以上の内容で、たいへん充実した時間を過ごさせていただきました。明日、あさってと、ふらりと出かけてはいかがでしょう?かなりのオススメイベントです。同じ時間に会場にいたくせに、お互いに確信が持てず声をかけそびれていたニアミス・ブログお知り合い1nd1goさんは、こんな風にレポートしています。
http://ind1go.exblog.jp/
◆梨園染 戸田屋商店創業135周年記念
「注染づくし」見たり・聞いたり・試したり
日時:2007年3月22日(木)~25日(日)
9:30~17:00(入館は16:30まで)
会場:江東区深川江戸資料館B1階 レクホール
◆女子美術大学・大澤教授のトークショー 連日14:00~
◆染めの実演 連日11:00より随時
◆他にも財布手拭いのたたみ方の講習や手拭い折り紙などもあります。
◆催事は無料ですが深川江戸資料館への入館料(大人300円)がかかります。
◆お問い合わせ:株式会社 戸田屋商店
東京都中央区日本橋堀留町2-1-11
Tel.03-3661-9566
http://www.rienzome.co.jp
E-mail: info@rienzome.co.jp
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注染体験(つづき)
生クリームみたいに、袋に入れた防染糊を絞り出しながら、模様を囲む土手をつくります。この土手の中に染料をドボドボと注ぎ入れ、コンプレッサーで染料を下から吸い取ります。この時、染料が布の表面から裏に抜けるので、裏表の無い染まりになります。
この人は、桜の花のピンクを染めています。ピンクを出すには、まず下液を注いでコンプレッサーで染料を吸い取り、次いで上液を注いで布を通すと、科学反応を起こしてかわいいピンク色に発色します。途中、桜の花を見かけました。今の時期にぴったりですね。
白地の部分には、まだ防染糊がついた状態です。写真ではわかりずらいかもしれませんね。
染工場では、反物のまま機械で水槽に何度もくぐらせて糊を洗い落とします。その動きを思い出し、両手でてぬぐいの上両端を持ち、たらいに汲んだ水にてぬぐいの下半分でで、水を強く撫でる様にバシャバシャと何度も往復させます。全ての面の糊を落としたら、乾燥させてできあがりです。