◎ギャラリー・トーク
三瓶清子(さんぺいきよこ)さん@郡山市立美術館
とにかく、ひたすら国道4号線を北上なのです。先日の雪で、もしかしたらスタッドレスタイヤでも無理かも、と心配していたけれど、今日はお天気も良くて、風も0~数メートル、気温も3~9℃と、ドライブ日和。
しかし、南下はあっても郡山までは初めてなのです。途中、コンビニでお昼を買って休憩をしながら。道は、時に片側一車線となって<奥州街道>らしさ満点だったり、かと思えば、どこの地方都市を走ってるのかわからなくなるような表情を見せたりしていました。でも、(ほぼ)初めてのアングルから見る那須連山やその他の山々は、良い眺めでした。今朝9時過ぎに出発して、美術館には午後1時近く到着。郡山駅を過ぎて、ここかな?と曲がったら、そこがバッチリ美術館通りでヨカッター。何しろカーナビついてないもんですから(笑)。
一番のお目当ては、企画展「三瓶清子コレクション 布ものがたり~からむし 木綿 古布の世界~」の要である、コレクター三瓶さんによるギャラリー・トーク。やはり、コレクター自身の思いは、展示品が袷の表生地だとしたら、裏地のようなもの。両方が相俟って、単なる陳列物は物語の主人公となります。その、ギャラリートークの盛況なこと。いったい何人集まっていたでしょうか。約1時間をかけたギャラリートーク後も、「私でわかることなら何でもお答えします」と、座る間もなく、展示に戻って更にいろいろな話を聞かせていただきました(感謝)。
紺屋さんに出すと染め代がかかるから、と「ドブ田(どぶた)」で絹糸を染め自家用の機を織ったという、三瓶さんのお母さんの世代の話をはじめ、地元栃木県立博物館で展示されている「背守り」付きの子供の着物と同じような、魔よけとしての背縫いの入った子供の着物も展示されていて、糸の縫い目が右に折れているのが女児、左に折れているのが男児ということを知ったり、大麻で織られた着物というのを初めて見たり、展示数も想像していたよりずっとずっと多い上に、自然布や木綿といった庶民の布中心の展示構成が良かったと思います。
コレクションもさることながら、なにより三瓶さんが良いのです(笑)。
3月22日まで開催(次回最後のギャラリートークは3月14日)。詳細は→
こちら
三瓶さんの旦那さんは、家では着物生活。愛用の着物には旦那さんのお母さんがドロ田染めして織った着物もあるそうです。そのような着物こそ展示していただきたかった、と私が言うと、「そんな、とてもとても・・・」などと三瓶さんはおっしゃっていましたが、その実、展示されているのは、手つむぎした木綿で織った着物や、残糸で織ったやたら織りなどという、生活の中から生まれた着物だったりするので、やはり普段使っているものというのは(私には、そのような布や着物こそが、作るということの原点だと思われるのですが・笑)、美術館や博物館という空間・場に出すのがためらわれるのだろうなあ、と思いました。昔の野良着などを蒐集するのは大変だという話もよく聞きます。
三瓶さん、今年は5月ごろから「ふろしき展」を開催予定で準備にとりかかっている、とのことです。ふろしきも展示されていて、それにまつわるいろいろな話、ポスト・ギャラリートークで伺った鳳凰のふろしきの逸話も興味深いものでした。そして何より、「ふろしき」というものが三瓶さんにとってどのような存在であるかということもギャラリー・トークで教えてもらいました。
参考:
http://otona.yomiuri.co.jp/news/090201_01.htm
http://ta9mi.jugem.jp/?eid=156
◎笑
那須塩原市あたりだったか、運転していると何かが降ってくるのです。雪?にしては、繊維っぽいのです。その正体は、目の前を走るトラックの荷台に積んであるワラの塊り。ここから、容赦なくわらしべが舞い降りてくるのでした。ジャマイカでも、目の前を走るトラックが積んでいたサトウキビが、ばらばらと落ちていたこと、思い出しました(笑)。
美術館を後にして、郡山駅でみやげを買い、再び出発したのが夕方5時ごろ。写真では明るさが残っていますが、間もなくとっぷりと日が暮れてしまいました。夜向けのCD(私の音楽メディアは未だにCDのまま・笑)も用意していたので、道々ハモりながらドライブを続けました。
まあ、高速ではない下の道を通ったので、ずいぶん長いことハンドルを持っていました。だから、この2枚の写真くらいしか撮っていません(笑)。
福島といえば、私の母方の祖父の出身地でもあります。今朝、今は亡き祖父からもらった雛人形を飾ってから出発しました。おかげで無事に帰ることができた、かな???