3スミを通過。27個目の絣を織っているところです。
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1600万円の実感
今夜TBSでやってた「クイズ!日本語王06春だ!桜だ!三都物語日本語の旅SP」の、京都にある<ぎをん齋藤>という呉服店の場面で、ウッチャンにとお店の人がうやうやしく桐の箱を出してきた。その中身は・・・予想通りの結城紬。ちなみに、お値段は?の問いに、(2000万って言うかな?と思ったら)1600万円との答え。
よく、東京ドーム数十個とか、霞ヶ関ビル何杯分って説明があるけど、あんまりにも高すぎたり、大きすぎたり、多すぎたりすると、感覚が麻痺してピンとこなくなります。この1600万円の結城紬もそうでした(笑)。近くで見られなかったのでわからなかったけれど、この値段だってことは、100亀甲以上(160亀甲とか200亀甲)のベタでしょうか???ところで、一言も「結城紬」って言ってませんでしたねえ(笑)。
そこで、糸車が出てきたのですが、全体がミシンくらいのサイズで、私が使ってる糸車の方が車輪のサイズもずっと大きいので、へえええ・・・と感心した次第です。
・(株)ぎをん齋藤 http://gion-saito.com/
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<編む>のと<織る>のと
はたおりをしてると、私の母はときどき「編む」ってコトバを使います。使ってから、「あっ、違った!」と思うみたいですが、母だけでなく、先月の機織実演の時にも「編む」を使う人がいました。その人も、あっ!って言ってましたけど(笑)。私は、自分では使いませんが、「編む」と使ってしまう人の感覚がわかるような気がします。
<編む>も<織る>も、英語ではweaveでよいのですが、<編む>に関しては、knit(毛糸などで編む)、braid(さなだ状に編むこと。ヘアスタイルのブレイズ編み、リゾート地でミツアミ~!とか声をかけられますね・笑)、plait(むしろなどを編む)など、使い分けます。
PC内臓の新明解国語辞典によると、
<編む>
糸・竹・針金・髪などを
互い違いに組み合わせて、形の有る物を作る。
1 用例・作例~草で編んだ筵(ムシロ)・・・先日見た<編み笠>も、これかな。
2 多くの材料を集めて、本を作る。
3 関係各方面の事情を調べて、計画を立てる。
毛糸でセーターを編む knit a sweater out of wool; knit wool into a sweater
細い糸で編んだスカーフ a scarf knitted of fine yarn [wool]
やしの葉を編んで作った小屋 a hut made of woven [plaited] palm fronds
組み紐は、a braid; a braided [plaited] cord でした。
<織る>
1 糸や わらを(機械にかけて)縦・横に組み合わせて布やむしろなどを作る。
2 いろいろな材料を効果的に組み合わせて一つのまとまった物を作る。
(名)織り
織物でも、打ち込みの弱い透けるような布は、まるで編み物みたいです。織りと編み、どちらともとれるグレーゾーンもありそうですね。
<編む>に含まれる、互い違いに組み合わせてゆくところが、ついついはたおりにも<編む>を使わせてしまうのでしょうか(笑)。
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メモ
先日の展示会で、問屋さんが<高機は、地機より3倍くらい早く織れると聞いたことがあります>と言っていました。ある資料によると、地機は朝鮮半島から、高機は中国から日本に伝わったらしいのですが、高機への改良で作業効率が格段に良くなったというわけですね。地機や高機は人が織る手機ですが、機械ならもっと早く、数日で1反を織ってしまうそうです。