きのうより今日、今日より明日・・・<前の日よりたくさん織る>のが、とりあえずの目標です(ハードル低いスタートですけど)。少しずつ、織りのリズム(どのくらい無地のヨコ糸を入れると絣糸の段階になるか)に馴染みつつあります。かしあげモードの腰当ヒモのまき方(片方を上から下に巻き、もう片方は下から上に巻く)を卒業し、前がらみに織った布地がようやくひと巻きしたところです。
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繭
金継ぎしたおちょこが含まれていた<ひとやまいくら>で買ったお猪口。包みをほぐしていたら、こんな名入れのものがありました。ひょうたんみたいにくびれた模様は、繭を図案化したものです。
この繭のデザインは、本場結城紬卸商協同組合の紬検査証というラベルをはじめ、絹織物の証紙に良く使われていますし、私が機織を習った小山市福良の紬織物技術支援センターの向かいにある絹中(学校)の校章にも使われていました(学校名も地域の産業に因んでいるのですね)。
http://www.honba-yukitumugi.or.jp/raberu.html
ひとつひとつ、南関 堀川蚕種製造所と手書きしてあります。蚕種(さんしゅ)とは、蚕(かいこ)の卵のことです。ところで、南関ってどこ~?
こんなときインターネットは便利ですね。検索すると、またたく間に参考になるサイトにヒットしました。南関と書いてナンカンと呼び、
熊本県の北西に位置する町です。
参考:
Wikipedia 南関町(なんかんまち)
Wikipedia 蚕種製造業
ほかに<南関・新町名募集記念・南関町外四ヶ村合併協議会>というお猪口もありました。南関町のサイトによると、『1955年(昭和30年)4月1日 南関町・賢木村・大原村・坂下村・米富村が対等合併し、新町制による南関町が発足。』とあるので、そのときに製作されたものと思われます。とすれば、50年以上も前のものだったのですね。
養蚕業が盛んだった当時が偲ばれる一例があります。昭和28年(1953年)、英国エリザベス女王の戴冠式用ドレスに、世界のよりすぐりの絹の中から選ばれたのは、愛媛県野村町の絹だったそうです。お猪口で飲まずにお猪口を読んでしまいました(笑)。
(豆知識)南関生まれの有名人:「カリブ海諸島の料理」他で構成される
タイムライフブックス『世界の料理』シリーズ・日本語版監修の故・江上トミ、北原白秋など