早いもので、実演の最終日です。もう使わない着物などを宅急便で自宅に発送し、宿をチェックアウト。日曜のためか、平日お勤めの若い方々の姿が目立ったように思えます。実は、私がキモノと急接近となったのは、高校生が浴衣を着ているというブーム!何をかくそう、ミーハー体質な私は、さっそく若者もすなる浴衣の着装とやらに、挑戦したのでした。そこから着付けを習い、キモノに興味を持ち、和裁教室に通い(引越しのため挫折)、結城紬の機織を学び・・・と続く、不思議なキモノとの縁の糸が紡ぎ出されて、今日に至るのです。
どこで着付けを覚えたの?どうしてキモノを着るようになったの?・・・織ってる私が、見学のお客様に質問です(笑)。だって、彼女たちは、普段着のキモノを着たい、キモノを身近なものとして親しみたい、という、私と似たような路線を感じるところがあったから。結城紬はメーカーさんによると、本来のターゲットを50~60代と考えているそうですが、糸を工夫して値段が手ごろな新しい企画品を開発していて、今回の展示ではそうした商品を見ることもできました。女性向けの無地・縞の紬でも、結構男性からの需要もあるそうで・・・そうでしょうそうでしょう(笑)、ユニセックスなラインは、いいと思います。
織る人と会って話してみて、なんだかホっとした、というお客さんに対し、着る人と会って話してみて、楽しかったと思う私なのでした(そういえば、若い男の人が実演したのを見たことがあると聞きましたが、結城紬ですよね?)
今日の東京は最高気温15~16℃ということで、結城紬を着て機織なんかしてると、暑く感じました。暑いからと、扇風機を機織している一角の空気を対流させるために置いたのですが、糸に直接風が当たっていなくても、糸切れが多くなったような気がしたので、以来多少は暑くても扇風機なしで織っていました。すると、指先も汗ばんでしまうので、糸の糊が落ちて指ベタチックになって、織りずらかったです。
休憩時間には、地下街にあるジューススタンドで、ギュッと絞りたてのオレンジジュースを飲んでスカッとリフレッシュしてました。ランチの食べすぎは注意でした。満腹のまま機織すると、見学のお客さんより早く、睡魔君がやってくるからです(笑)。
実演を終え後片付けをし、メーカーさんとお店の方に挨拶をしてから、キモノのまま宇都宮に戻りました。キモノを脱いでみると、補正を兼ねてウエストに巻いたタオルが、かなりの汗を吸い込んでいました。至らぬ実演だったと思いますが、みなさまに助けていただき終了することができました。ありがとうございます。名古屋マラソンで27位と遅れながらも、ゴールにたどりついた高橋尚子選手のニュースで見て、何となく共感を覚えました。