◎とんだ珍客
36反目、はじめての本藍染め。かしあげに、機屋さんへ。機場(はたば)の窓を開け放し、扇風機がちょっと生ぬるい辺りの空気を風にして送ってきます。今日は幸い、日中はそれほど暑さを感じずに作業を続けていると、
ぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~ん!!
という聞きなれない乾いた羽音をたて、何か黒い物体が私の左側をすりぬけて行きました。
ひぃえっ!?けっこうデカっ・・・ハチ?アブ?いや、もっと大きな・・・カブトムシ??
物体の着地点を確かめると、ゴマダラカミキリが機の枠にたかっていました。ひと目見て懐かしいその姿。子供のころ良く見かけました。ゴマダラカミキリって悪さするんだっけ?思い当たらなかったので、放っておいて、そのまま作業を続けました。ゴマダラカミキリは、標本のようにじっとしていたのですが、しばらくすると前板に移動してきたので、前板をずらして壁際に近づけると、自ら壁に移動。間もなく、ちょっと大きめな乾いた羽音をさせ、窓の外へと飛び去って行きました。
機織りは、糸の染めが化学染料であろうと、天然染料であろうと、タテヨコの糸を織り合わせることに変わりないはずなのですが、藍色を見ていると心がトキメキます。糸括りによる小さな絣の模様が入っていて、紺地の糸が防染によって白く抜けているところのグラデーションの美しさが、なんとも言えません。うひひひ・・・。
紺と白。私が今日、偶然使っていた板締めの豆絞りの手拭いも、同じ色の爽やかなコンビネーション。
真っ白で小さな絣模様が、より輝くように合わせたいです。こんな機を、織ってみたかった・・・そんな1反です。藍地の織り色はまったりと深いです。紺無地のところは、微妙な染め色が段にならないよう2丁杼(ニチョウビ)を使います。
藍を織ると、道具が青くなるだけでなく(今の段階では、まだ、思ったほど青くは染まってないです)、鼻の穴も青くなると聞き(糸から微細な毛羽・ホコリが舞い散るので)、少々ビビっています。
鼻の穴の
青い女・・・いただけない orz